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むにゃむにゃ
No.3995
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ぎょんさん
ぎょうざが落ちている。
喫茶店の窓際の席。私はふとそれに気が付いてしまった。落ちている、というほかないようなわびしさで、ぎょうざが路上に存在していた。あの丸くて小さい黒が見えないから、きっと、うつぶせに。
外は雨だった。激しい土砂降りではないが、しとしとと降るそれは、ぎょうざの体を冷やしているだろうことが想像された。
どこかへ行きたかったのだろうか。その途中で転んでしまったのだろうか。
そんな情けない姿なのに、ぎょうざからは悲しみを感じなかった。わびしいのに悲しくなくて、冷たいのに熱を持っている。そんな相反するものを、ぎょうざは自らのうちに宿していた。
「後ろから失礼します」
角ばった店員が声をかけてきて、ホットコーヒーをテーブルの上に置いた。
「すみません」
ご注文は以上で、と言いかけた店員に、私は声をかけた。
ホットミルクと、温かいおしぼりを。
あと、少しだけ席を外します。
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