微かなダイエットとウイスキー

微かにダイエットをしている。もはやしていた、という方が正しいかもしれない。

常々言っているが最近本当に体が重くなってきているので、「満腹を目指さない」「夕飯はなるべく20時前くらいに済ます」「できれば夕飯はおかずのみにする」「スクワットをほんのりやる」らへんのことをやっていた。本当に微かなダイエットである。

しかしそんな時にも酒が飲みたいときがある。お酒を飲んで話したい友達もいる。から、本当に気休め程度なのだが酒の中では比較的カロリーが低い?と言われている蒸留酒にチャレンジすることにした。前から周りの友人にはウイスキーが好きな人間が多く、「熱燗が飲めるならウイスキーも飲めると思うよ」と言われていたので試してみたかったというのもある。

ウイスキーというものは味もそうだが、カパカパ飲めないという点で私はだいぶ引っかかっていたのだと思う。酒を飲むようになって長くなってきたが、未だに体内に摂取する液体を「飲み物、水分補給のもの」と認識していて、グッと飲んだら最後喉が焼けてしまうようなウイスキーに、味の好み以前の違和感があった。

今はダイエット中だから酒をもりもり飲むわけにもいかないので、ちびちびとしか飲めないウイスキーは逆によかった。これできちんと酔えるのだからありがたい。楽しい気分にはなりたい。

最初に飲んだのは「デュワーズホワイトラベル」というもので、遊びに来た友人が持ってきて冷凍庫に放置されていたものを飲んだ。口当たりが軽く、たいそうおいしかった。ただ軽すぎてどんどん飲んでしまうので、自制心が必要だなと思った。

次に人から教えてもらった「オールドパーシルバー」を飲んだ。デュワーズホワイトラベルよりも喉にカッとくる感じが強く、ストレートはおろかロックで飲むのもなかなか難しかった。「熱燗好きならお湯割りも好きだと思う」と言われたことを思い出し、お湯で割って飲んだ。おいしかった。

知多を適当に飲んでよくわからないなと思って以来ウイスキーはずっとわからないままなのかと思っていたが、なんとダイエットという謎の方向から私とウイスキーの交流は再開された。なんだかものにはいろいろな出会いがあるのだと思う。

微かなダイエットはそろそろ一ケ月が立つ。体重はほんのり減った。顔周りの丸さがどうにかなってほしい。それはそれとしてケンタの和カツが食べたい。

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孤独にものを愛することは難しい

自分がTRPGを遊ぶために作ったキャラクターや、オリジナル作品として作ったキャラクターを愛するのが難しい。

私の行動や感情は基本的にインターネットに流されている。空腹で辛いとか、今は生理前でひどい気分だとかいうことさえ文字になって流れていく。私の感情は基本的にすべて文字になっていて、それは翻って文字にできることを感情と認知しているくらいのレベルまで行っている。

水鏡希人『君のための物語』を中古で買った。

 なんだか最近は昔好きだったものをどうにか手に入れようと頑張る時期のようだ。この本を中古で買った理由は明白で、中古で買う以外に方法がなかったからである。

 昔表紙につられて読んで、結構好きだった記憶がある。学校の図書室にあって、読み終わったにもかかわらず何度か繰り返し借りていた。大昔に読んだので内容はおぼろげだが、語り手ともう一人の謎の何物かの関係がセクシーでよかった気がする。多分自由帳にへたくそなファンアートを書くくらいにはハマっていた。

 次回作が出るのを結構わくわくと待っていて、『そして、誰もが嘘をつく』は実家にある。

 その後もふんわり、まあ望むのであれば『君のための物語』のようなテイストのものが出ないかな~と思っていて、数年前ふと調べたらなんと2011年発行の『そして、誰もが嘘をつく』を最新に、活動を停止しているようだった。

のろのろと調べたところなんだかいろいろあったらしく、少し悲しかった。そんなことが数年前にあって、当時はその悲しさで本を手に入れるどころではなかったのだが、なんかもう、本当にこの本が再販されることはないのだろうなと思うときちんと手に入れておかねばならないような気がした。

好きな作家である紅玉いづきがモデルになっているキャラクターがいるという噂を聞いて、これまた数年前に相沢沙呼『小説の神様』を読んだ。それを読む限り、まあ、すべてがその小説通りということはないかもしれないが、小説家として存続し続けるというのはなかなか難しいことなのかもしれないと思う。わたしが見ているのは、数少ない、そしてこれからも存続できるかどうかはわからない「今のところ成功中」のものなのだ。

作者の水鏡希人のことをふんわり考えるときがたまにある。届くまで再読できないから内容は本当におぼろげだけれども、あの物語はわたしのための物語でもあったように思う。

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家にある本を読む

三月初めから三日前くらいまで、だいぶ精神が悪かったので、意識してインターネットから離れていた。スマートホンからディスコードを初めてとしたSNSアプリをアンインストールし、暇になったら本を読んで過ごしていた。

読んでいたのはこの三つ。

上二つはエンタメ小説的なものだ。高校を卒業してからあんまり読みつけないジャンルだったけど、おもしろかった。目的と体調によるが、雑多な人間の短文をただ眺めて時間を潰すのと、プロのエンタメを読むのは種類が異なる時間だなと思った。人の感情に引っ張られやすいときは思い切りエンタメを楽しむのがいいのかもしれない。

エンタメ小説はただ楽しい!面白い!だけではなく、その前に「ぐぬぬ……」となるシーンがある。ストレスがあったうえでのすっきり面白い!なので、感情のふり幅的にはSNSと大体同じである。楽しさにはある程度の不快感がつきものなのかもしれないと思った。

『わたし、定時で帰ります』はかなり良くできている話だった。タイトルからは定時で帰りたい主人公VSそれを決して許さない会社というようなものを想像していたのだが、会社も一枚岩ではなく、そして主人公の心情も多層的で、なかなか面白かった。ストレスターンが本当にストレスなので、読むなら一気に読んだ方がいい。

『元彼の遺言状』は主人公がぶっ飛んでいて、時折モノローグで挟まれる「私はこういう人間なのだが……」というぶっ飛び自己紹介が面白い。ミステリ的には普通だが、まあ楽しめた。

上の二つを読んで小説を読む体力がついてきたので、途中まで読んで積んでいた『クララとお日さま』を再開した。カズオイシグロは学生の頃に『日の名残り』の原書を読む講義があって以来である。原書がどうにも難しく、私は翻訳版を購入してカンニングしながら講義に参加していた。小難しい話でとても私にはエンタメ感覚で楽しめるものではなかったのだが、内容が3/4に差し掛かってきたあたりで作品に対する向き合い方がわかってきて、『日の名残り』自体はかなり好きになった。

『クララとお日さま』も同様に、後半をしばらく過ぎたあたりでやっと読み方がわかってくるものだった。難しいけどどこか嬉しさがあり、理解したとはいいがたいが妙な共感がある作品だった。

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また今日もパン生地をセットした

なんにもできてない日の夕方、パン生地をセットする。材料を混ぜてラップをかけてしばらく放置し、ガス抜きをしてまたラップをかける。そのうえで冷蔵庫に入れて一晩また放置して、次の日の朝成形と二次発酵をして焼き上げる。

今日は朝から小説を書こうと思ったのだが、500字弱書いたあたりで強烈な眠気がやってきて、15時まで寝てしまった。特に怠かったりしたわけではないのだが、まあたまには惰眠をむさぼらなければやってられない。

小麦は前回使っていたテリア特号がなくなったので、新しくスペルト小麦というものを買ってみた。

富澤商店は数ある強力粉の味と触感の目安を図に示したカードを店舗で配布しており、毎回それを参考にしながら買っている。横軸が「あっさり⇔リッチ」、縦軸が「ふわふわ⇔もっちり」となっている四象限マトリクス図であり、私は第四象限の「リッチ、もっちり」に属している粉を基本的に買っている。スペルト小麦はこれまで買っていたルスティカやテリア特号よりはもっちりではないが、リッチ度合いが群を抜いていたので試しにこれにしてみることにする。

この本でしばらくバゲットだけを作ってみたのだが、本の後ろの方のページにあった「ねじねじパン」を最近作ってみている。材料は一緒で成形の仕方しか違わないのだが、なんだかこっちのほうが柔らかいような気がする。バゲットは最近焼きすぎなのか、スカスカしているような感じがあるのだ。

ねじねじパンとそれを見つめる犬のぬいぐるみ

今日のパンはレシピママに作ったが、最近作った二個はライ麦粉とクミンシードを混ぜて作っている。写真のもその作り方だ。カレー粉を混ぜてないけどカレーのような風味がして面白い。おいしいのでお勧めである。

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