挫折から始まる「ただ一人」の物語―映画『カラオケ行こ!』感想―

 映画『カラオケ行こ!』を観てきた。

 中学校合唱部コンクール終了後、参加学校のうちの一校の部長の岡聡実のもとに、ヤクザの成田狂児が「カラオケの上手な歌い方を教えてくれ」と頼みに来るところから物語は始まる。

 ソプラノを担当している岡の中学はコンクールでは銅賞で、この時点で声変りが始まりかけている岡は自身のパフォーマンスに歯がゆい思いを抱えている。話を通して岡の歌声は改善することはなく、「映画をみる部」で映画を観て時間を潰したり、成田とカラオケに行って日々は過ぎていく。すべてが流れて部活動最後の発表会の日を迎え、岡の中学校が歌っている時間、なぜか岡はヤクザに囲まれて「紅」を歌っている。そんな話だ。

 正直なところ、原作『カラオケ行こ!』はコメディものとして読んでおり、続編の『ファミレス行こ。』を読了した時、どのようなものとして読めばいいのかつかみ損ねている自分がいた。二人とも成人(岡は18歳になっている)している『ファミレス行こ。』では岡と成田のキャラクターに重みがのっており、その分どこか宙に浮いているところがあった『カラオケ行こ』の自由さとの整合性が自分の中でとりにくい部分があった。具体的には『ファミレス行こ。』の成田は果たして中学生を課外授業の途中に連れ出すだろうか…?といったような。

 映画『カラオケ行こ!』は自分の中で、その中間をなだらかにするような作品であった。基本的な温度はコミカルなものだが、岡の学校の描写や家庭や部活での様子、そして「映画をみる部」という第3の居場所など、岡の、成田が関わらない人生にぐっと厚みが持たされていた。より「たった一人の、岡聡実の物語」という側面が強調されていたように思う。

 印象的だったのは合唱部での描写が特に多いことだ。原作を読んでいた時は、岡聡実の「ソプラノ担当」という側面を私はあまり重要視しておらず、キャラクターの一性質のように考えていたのだが、映画では岡のその性質と声変りというものが重要な働きをしている。私は男声パートを歌えない人間なので、声変りというものがどういうものなのかを具体的に知ることはないが、練習量に比例せず、体の変化に応じて高い声が出なくなってしまうものなのだというイメージをいくつかの作品を読んで抱いている。

 自分の努力とは無関係に、今まで出来ていたことが出来なくなっていく。これはおおきな「挫折」と言ってもいいだろう。岡聡実が中学生であることを考えると、これは初めての挫折とも考えられる。

 三年間真面目に取り組んできて、部長までやった部活の、重要なコンクールの段階から声変りが始まる。そして最後の合唱祭ではソロパートをもらえるが、声がもつかがわからない。そして顧問によって代理まで用意されてしまう。「映画をみる部」で映画をみていても、指揮者とピアノ奏者がいれば部長がいなくても部活は進んでいく。副部長がそれなりにサポートをこなしてくれている現実。

 合唱は一人ではできないが、その側面はすなわち、一人がいなくなっても何とか成り立つということを表し得る。大きな挫折を目の前にして、自分の代わりがいくらでもいるということ知らしめられる。

 このような状態の中、あの大人数の、いくつもある中学校の中から岡のいる中学を選び、岡ただ一人を指名した成田という存在は、岡にとって大きなものになったのだろう。岡が選ばれたのは岡が部長だったからであるが、少なくとも現在あの中学校の合唱部の部長は岡ただ一人だったのだ。この「ただ一人」となる経験を与えたのが、他でもない成田狂児だったのである。

 成田は岡の与えたものを生真面目に受け取る。岡の合唱部のテキストも読み込み、音叉の話も覚えていて購入する。岡にとっては些細なことを、成田はきちんと受け取っていく。そして成田の与えた「ただ一人になる」という経験を、岡は物語を通して受け取っていく。

 卒業の日、岡は衝突していたソプラノ担当の和田と会話し、部員全員と写真を撮る。岡はみんなの一員であり、ただ一人の部長だったのである。そして和田もただ一人のソプラノ担当の学ランを着る後輩で、彼らの仲裁をこまめにしていた中川もただ一人の副部長だったのだ。そして一緒に映画をみていた彼も、ただ一人の「映画をみる部」正規部員だったわけで。

 映画『カラオケ行こ!』は、岡が「ただ一人」となる経験を通して、他者を「ただ一人」として見るようになる物語のように感じられた。ここから岡の人生は始まっていく。そのような希望を映画からは感じられた。

 以下、ラフな感想と原作の話。

  • チャンス大城が歌うたってて面白かった。ウィーン少年合唱団のネタを見てたので低い声?で歌ってるのを見るのは新鮮だった。
  • ヒコロヒー、ああいう母親が似合う。
  • 綾野剛のカラオケ面白かった!あのいっぱいしゃべるみたいなやつ(岡がリストアップした曲のうちの一つ)は何だろう?めっちゃ合っててよかったし曲も好きだからあとで曲名調べたい。
  • 岡の紅めっちゃよかったね~
  • 自分が男声パートを歌えないことがすごく悔しくて合唱自体は好きだったけど合唱部には入れなかった人間なので、そういう意味でどこかでつながる挫折をしていたのでしんみり来るものがあった
  • 卒業シーンでめっちゃ泣きそうになった
  • 最後の紅合唱好きすぎる。私は合唱曲を聞くのが好きです。
  • 原作の岡の妙に周りと自分に不満がある感じがどうにもよくわからなかったので、映画の解釈はなるほどーとなった。
  • ただ、映画の終わりは少し希望があるけど、『ファミレス行こ。』の岡はかなり鬱屈としていてすごく心配になる。今後どうなるんだろう……。
  • 原作の岡の成田以外への思い入れがあんまないところが危うくて不安になる。これは私が1対1のロマンスがそんなに得意じゃないという好みから来てるものだと思うけど。
  • 原作からかなりアレンジが入っているし、実写化ものとしての忠実な再現みたいな映画ではないので、原作既読でも未読でも楽しめると思います。

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月報2023年10月号:映画と文房具

10月が終わる~!ということで振り返りです。

ダイジェスト

観た映画

アリストテレスのまぼろし工場

「凪のあすから」から追いかけている岡田磨里の監督作品。かなり面白かった。現実を生きることに関する話が多いかも最近。そういうのが好きです。

ダンサーインParis

クラシックバレエとコンテンポラリーダンスのダンスシーンがあるんですがどっちもめっちゃよくて話もすき!バレエとかコンテンポラリーダンスとかしらないから公演を丸々みるのはあれだけどちょっと見てみたいとかの方にもマジでおススメです。2023年ベスト出たかもしれない。すごい良かった。

買ったノートをいい感じに使いたくて書いた感想

かぐや姫の物語

高畑勲映画コンプリートの一環で観た。めっちゃ自由でおもれ~。等身てそろってなくていいんだ。勇気出た。

最後お迎えのシーンで楽しい音が流れていて泣いた。

レッドタートル

絵がかっこよすぎるので観てよかった。でも話はあんまり好き、ではないかも。徒然なってた。レッドタートルというよりホワイトカニちゃんズだった。

ティグランハマシアンのライブに行った!

群馬公演と東京公演に行った!めっちゃよかった~!

生で聴けるの、楽しい!楽しい!本人を見られるのも楽しいけど、「ここにきてる人ティグランハマシアン好きなんだ~!」って感じられるのがよかった。

東京公演はゲーム「パラノマサイト」のロケ地近くだったので、錦糸堀公園・緑町公園・両国橋・旧安田庭園を回ってきた!錦糸堀公園の中央でぐるりとあたりを見渡すパラノマサイトオタクになった。

公演まで時間があったので黄金湯という銭湯に行ってみた。初サウナ!初水風呂!あまりサウナに長くはいれなかったけど水風呂気持ちよかった。終わった後に二回のご飯屋さんで食べたポテトがおいしかった。

ショウガビールもうまかった。

文房具をいっぱい買った

NOLTYビジネスベーシックダイアリー

見開き2カ月ブロックというのがいいな~とおもったので購入。2024年のメイン手帳はこれにしようと思う。

hibino

一日二ページ手帳。2024年の日記はここに書きたいな。辞書みたいでかわい~です。

サンキュ!11月号

付録の手帳目当てで買った。お金の管理がしやすいと教えてもらったので、家計簿ノートとして使いたい。

からっぽペン(ほそ芯・細筆)

トラベラーズノートや便箋に万年筆で書くとびみょ~ににじむのが気になっていたので買ってみた。

どちらにも相性いい感じ!さらに本業用に使っているペルパネプのツルツルノートとからっぽペンほそ芯の相性がめっちゃいい!専用のファインライターよりもするするかける~~~うれしい~~~!

ファインライターは黒しかなかったので、色ペンでコメントがつけられたりすることでかなり本業のメモがはかどっている。

ゆうさりノート

箔押し加工?がされてる表紙がかわいかったので買った。万年筆による筆記特化ということで、トラベラーズノートはからっぽペン筆記にしてこのノートで万年筆を楽しむか~という気持ち。冒頭のダイジェストやダンサーインパリスの感想などはゆうさりノートで書いてます。

SARASA grand キャメルイエロー

万年筆を持ち歩くと失くすので、持ち歩きメモ用にちょっと気取った感じのボールペンを買った。ちょっと重いし書き味的に言えばSARASAの普通のやつ一択なのだが、まあ道具というものは使っているときの気分も込みなのだ

レターセットいろいろ

まだ届いてないけど買ったもの

マットホップ

ほぼポスカ!という投稿を見て気になったのでポチってしまった。

ポチっとシックス

顔のマークのやつ。毎日のふんわりとした体調を記録するのにどうかなと思い。

ロルバーンダイアリー横型

体調記録&本業進捗記録用。見えるところに置いておいて、一ケ月の進捗と体調が概観できるといいかと思い…。

フィルターインボトルについてはここ

11月がやってくる

大大大出費だったので11月は自重したいですね。レターセットを使い切る勢いで書いていきたいです。

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漫画と映画とゲームの記録 2023年6月号

高 妍『緑の歌 – 収集群風 – 』

書店に行くたびに気になっていたが、表紙から「ガーデニングの話だ」と信じて疑っていなかったので手に取りあぐねていたところ、友人が貸してくれて読むに至った。まったくガーデニングの話ではなかったし、何なら植物はほとんどといっていいほど出てこなかった。山というより海の話だったし。

音楽に心を動かされる人がいるらしい。らしい、というのは、私もたしょうになりとも動かされることがあるのだが、なんとなく、私よりもはるかにそれらのアピールを受け取っている人々がいると感じている。それらの人はどうやって音楽と親しみ、どのように音楽を聴いているのかというのは常々疑問であった。疑問でもあったし、憧れでもあった。私にも音楽に救われた夜があったら、と思うくらいには。

この漫画は、音楽に身をゆだねる瞬間、身をゆだねることでは何も解決しないけど、少し今がつらくなくなる瞬間のことを私にのぞかせてくれた。自分の中の切り替えのようなものを、音楽の力を借りてゆっくり行っているように見えた。

また、登場人物が何度も悩む主人公に対し同じ質問をしているのが印象に残った。「我慢しちゃいけないよ、何かあったら聞くからね」というのは、私の世界では一度だけ言う言葉のようになっている。しかし、主人公の周りの人間は主人公に対し何度も聞く。黙っていて変わることってあまりないから、音楽を聴いて少し諦めるか、友人に話を聞いてもらって解決するかという行動が必要だ。主人公は音楽と友人、そして小説と、文を自ら書くことで先に進む選択を続けている。音楽は重要な要素ではあるが、それがすべてではない。しかしすべてではないからこそ、他のことができないことを音楽が助けてくれる。そんなときが彼らにはあるし、私にもこれから来るのかもしれない。

赤坂アカ・横槍メンゴ『推しの子

最新話まで読んだ。結構徹底して伏線と復讐の話で、怖い話でもあるし一部露悪的な部分もあるのだがイラストがかわいいというか、キャラクターの良心の存在を感じさせる絵柄をしているので怖すぎないで読める。

アイドルの話よりも芸能界の話よりも、演劇・演技の話が中心になっているのは意外だったし、私はそういった話が好きだから思わぬ収穫というか、予想外の面白さがあった。

みんな元気で仲良くやっていてほしいと思うと同時に、そうはいかないんだろうなあという悲しさがある。

大白小蟹『うみべのストーブ 大白小蟹短編集

表紙が気になって買った。この作品だけでなく、トーチwebの作品は結構好きだ。

「今生きている人」の話をしているな。という感覚だった。私の年代より少し上くらいの人たちが主人公というかメインに据えられているからそう思うのだと思う。今の私の話だ、と思って読んだ。

表現をすること、愛に生きること、そういった「人生のクライマックス」の後を生きる人たちが、それで終わらせずに楽しく生きる方法を模索しているような作品たちだ。と思った。夫が透明人間になる話が特に好き。

私は今とにかく現実を生きているのが苦痛で、ずっとずっと何かを観たり聞いたりしながら「今」を消費して生きているのだが、そうなってしまっていても丸裸の感情になって今を楽しんだり悲しんだりするときがある。そういう瞬間を思い出させてくれるような作品だった。


南極料理人

寝る前にぼんやり映画を観よう、と思った時期に観始めて眠くなったら決して、を繰り返していたらぼんやりしているうちに配信終了日が近づいていたので観た。ごはん、徒然なる日々、小さな喜怒哀楽と、私の好きなものが詰まっている作品だった。こういうのをずっと見ていたい。ラストシーンがめっちゃ好き。

岸部露伴ルーヴルへ行く

パンフレットその他を読んでいないので全部間違ってるのかもしれないのだが、パリ現地の案内役の人がすごく興味深かった。リズムというかなんというかが私の想像する現地の人のものである、というか、日本で演技してきた人じゃないような感覚があった。不必要に笑わず、声のトーンが低めだけど不愛想であるという演出でもない。解説内容は充実しているが、雑談などは少なく必要最低限の案内。岸部露伴や編集者の演技の癖は強いから最初はわかりにくかったが、日本人キュレーターという役柄で男性俳優が出てきたときに、「日本の俳優ってこんな感じで、なんかわからないけどニコニコしているよな」という感覚になった。その後ストーリーに関わって演技もしてたから俳優さんなのだとは思うのだが、なんだか新鮮で興味深かった。

相席食堂

アマプラでずーっと観ている。お笑い芸人の話し声というかトークが好きだ。ただ集中して聞いてめっちゃ面白い!!みたいなのはじっと見ていなければならないので流し聞きできるラジオのほうが好きだ。ラジオは今まで聴いていた分のバックナンバーをほとんど聞いてしまってストックがないので、とりあえず気になる回からどんどん観ている。お笑い芸人は失敗をするところをカメラに取られることがよくあるし、自分の失敗の話をラジオでしてくれる。それを周りが笑って成立させてくれたり、本人がそうやって失敗しても元気に生きているのを見ると、自分の失敗も許されていくような感覚になる。

ZAZY&狩野英孝の回がすきです(シーズン4エピソード23)。

ラブトランジット

時間が無限にあるのか!?というわけではないのだが本当に何も考えたくない日々が多すぎてこういうのも見ている。人間がしゃべっているのが好きなのだ。結構入り組んでて大変だしみんな精神の限界が来ていて本当に心配になってくるからもう見ないかもしれない。こうへいという方がとてもいい人だ。


パラノマサイト

めっちゃ面白いゲーム!!!いまやってる!もうすぐクリア!

情報出てきてそれが全部記録されててちゃんと読むとストーリーをどう進めればいいのかのヒントがあって、昭和の墨田区が舞台なんだけどそこがどうだったかとかの史料もあって世界がよくわかってキャラもかわいいしめーーちゃ面白い!!

7月の目標は字の本も読むことです。

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みちのくCOMITIA10とBooknook vol.2と今後の予定

5/27,5/28と連日でイベントに参加していました。簡単に振り返ります。

みちのくCOMITIA10

昨年6/12開催に引き続き、二度目の仙台開催です。

サークルカットはこんな感じ。前回は絵を見せる!と思って描きましたが、今回は情報大目にしました。自分がコミティアまわっててありがたかったのがそっちだったので。

頒布物

【新刊】ひとり雑誌「渦転」

その時の自分が表れている本を作りたい、と考え、やってみたいことを詰めた雑誌のようなものを作りました。

私は現在小説家になりたいわけでも漫画家になりたいわけでもイラストレーターになりたいわけでもありませんが、自分がどの程度作品作りをやっていきたいのかということを、2023年は確かめる年にしようと考えておりました。

小説と漫画はひとつずつ賞に応募しよう、ということを目標としており、その前に一回「完成させてみる」ということを経験しようということで、漫画一本、小説一本、そして年始からやっているネットプリントのアーカイブということで、56pの本になりました。

小説における苦戦はいくらかブログでも書きましたが、なんだかんだ、企画ものではなくゼロから話を考える漫画というのも初めて描きました。まあわりと思い出話のようなものなので特に頭をひねったりはしなかったのですが、描いてて楽しかったです。

実物を写真に撮ってみるとこんな感じ。どうです。かわいいでしょう。

プリペラさんのカラーページどこでも4p追加料金なしというすごすぎパックでつくりました。ほんとは4ページ入れる気満々だったのですが、アウトプットしすぎて絵を描く気持ちがほとんど残っていなかったので1ページのみ。

かわいく印刷していただきました。

試し読み「お試しにとんぜぽ」

噓日記46p、雑誌が56pと分厚かったので、簡単なコピー本でどんな作品を書いているかわかる本を作りました。嘘日記と漫画と小説とネットプリントをちょっとずつ入れて32pくらい。でも普通に本のほうが手に取ってもらえました。

お品書き

お品書きはこんな感じ。去年噓日記を買ってくださった方がシールを買いに来てくれたり、うれしかったです。

設営

前回は気合を入れてグラフィックさんでポスターを印刷していたのですが、今回は元気がなかったので口絵をインクジェット紙で印刷しました。あと前垂れ部分に本文をA4インクジェット紙に印刷したものを貼ってみたり。器用なイトコがいないので貼り方がぐちゃぐちゃです。

その他エピソード

初めて、印刷所からの宅配搬入というものにチャレンジしました。当日までちゃんと届くのか、どのような形の本なのかわからずドキドキでしたが、こっちのほうが荷物は楽ですね…。みちのくCOMITIAは少し特殊な搬入方法なので、プリペラさんにお問合せして締め切りなどの相談に乗っていただきました。

プリペラさんを使用した理由ですが、去年参加したBooknook vol.1で協賛企業として参加されており、アンケートに答えることで頂けた得点が使えたということが大きいです。いままではプリントオンさんという装丁に力を入れている印刷所さんを使用していたのですが、今回のひとり雑誌は気軽な、気負わない作品として作りたかったので、加工や紙の種類は少なくてもいいという方向で決定しました。しかし、今回の表紙のテンカラーエンボス皮しぼ、本当にかわいいのにほかの印刷所ではあまり見かけず、今後もリピートしたい…という思いです。PPはつけることができないのですが強度は十分で、折り目部分の色がだんだん落ちていくのもザっと作った雑誌っぽくて素敵…。本当にありがとうございました!

前回はイトコが手伝ってくれたのですが、今年は一人参戦。買い物も行けないし絶対暇になるなーと思い、A5の用紙を持って行って手書きでフリーペーパーを作っていました。雑記と会場となっている仙台のおすすめスポットを書いて、本を手に取ってくださった方に押し付けていました。いい暇つぶしにはなりましたが、受け取った方が嬉しかったかどうかはわかりません。

ちらほらTwitterを見てきてくださったり、サイトを見て知ってくださったりした方がいらしてくれました!本当にありがとうございます。お友達も来てくれました!感謝!

「東京コミティアに出ないんですか?」という声も頂き……ちょっと考えています……!!ありがとうございます…!

Booknook vol.2

「すべて」の準備が間に合わなかったので当日慌てて用意しました。

サークルカット。キャッチフレーズはイトコが考えてくれた「毒と薬になる雑誌」をちょっと変えたもの。

慌てていることしかわからない参加表明

カラー口絵を流用したスペース。TOAウェブオンリー「ひだまりの旋律」でも絵をそのままスペース画像に使うということをやっていましたが、これはこれでかわいくていいかも、と思いました。

アバターと相性が良くてかわいくなりました。

店舗は「pictSPACE-ONE」機能を使いました。こちらのタグジェネレータをもりもりつかってなんとかしました(画像は取り忘れました)!

頒布物

ひとり雑誌「渦転」はbooth、嘘日記はアリスブックス、お試しにとんぜぽはDL無配で頒布しました。おかげさまでひとり雑誌「渦転」は在庫がなくなりました。ありがとうございます。DLもたくさんしていただきありがとうございました!

エアスケブ

三つかかせていただきました!たのしかった!

その他エピソード

booknookは来てくださった方とおしゃべりできることが多い!気がする!今回もバディミッションBONDのお話とかサイトのお話とかできてうれしかったです~!また、去年booknookを通して知り合った方と書き込みボードに書きあったりして、「お互い頑張っているな…!」と感じることができました!ありがとうございました!

今後の活動予定

うちのトコでは二次創作webオンリーに参加します!

ピクトスクエアのwebオンリー一覧眺めるの好きなんですよ。なんか懐かしいジャンルとかがオンリーやってると、「あ、みんなもなんとか楽しくやってるんだ…」みたいな気分になれて。まさかうちトコがあるなんて!!!これは参加するっきゃない!ということで参加します。

イベント詳細

「本」とあるからには本を作ります…シメケンプリントさんの委託通販システムを最近知ったので、それをやってみたいなと!もしよければ覗きに来てください!3週間後です!

ちょっと休養しつつ、東京コミティアのことも考えつつ…

さすがにアウトプットに行きすぎなので、ちょっとちゃんとがっつり休みたい!とも思っています。でも楽しいことがいっぱいあるんだよな。参加したいpixiv企画もそろそろ始まるし・・・・・。

ちなみにもうすでに1個参加してたり…そしてbooknook当日に漫画描き上げて投稿してたりします……

無理すんな!イベントハイになってるぞ!と自分でも思うのですが、描ける!とおもったときにうまく自分をセーブできずにいます。き~~~~!

ちなみに参加したいのはこれ……一個は明日キャラシ投稿開始だから描きたいなって思ってて…・

ほんとに…休もう…。

次の東京コミティアに参加するんだったらそろそろ締め切りだからサークルカットも書かないといけないしな~う~~~ん悩み、悩み悩みです。多分そろそろインプットしないと出がらしになっちゃうから、マリオの映画とか岸部露伴ルーヴルとかみに行きたいな~。

skebやその他支援窓口

実はskebを始めていました。オリジナルでのリクエストなどあればもしよければご利用ください。サーバー代とか本制作代とか画材代に充てたいと思います。

メッセージなどの場合はこちら。使い道は同様です。

ギフトを送ることもできます。私がやすんで利用させていただきます。

様々なイベントで出会ってくださった方々、これからもどうぞよろしくお願いします。

サイトの次回予告

ちょっとイベントもろもろでTwitterその他ではしゃぎすぎたので、ちゃんとサイトと向き合っていきたいよ!というわけでドットインストールで勉強してサイトの改築をやっていきたいと思います。何以下ご不便、表示崩れなどありましたらお問合せください。

日記コーナーも人気なので手書き日記も再開していきたいです。どこまでも自分のペースで、でももしみんなの楽しかったら嬉しい、をモットーに、これからもやっていきます!

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引っ越し終わりのご報告と「窮鼠はチーズの夢を見る」感想

朝、目が覚める。寒くない。背中も痛くない。段ボールの山もなく、代わりに机やいすがある。

起き上がる。手にはバネが反発する感覚。そう、ベッドで寝られるようになったのだ。

引っ越しが終わった。

終わった。

終わったぞ!!!!!

たくさんの応援、心配のお言葉、本当にありがとうございました。物を捨て、捨て、捨て、詰め、詰め、埃だらけの旧居から運び出される荷物たちにじっとりとした視線を送り、比較すればかなりきれいな新居に運び込まれる雑多な荷物たちをぼんやり眺め、開き、開き、出し、詰め、また捨てて、やっと新居での生活も落ち着いてきた。

引っ越しの後、ゆっくりご飯が作れることが何よりの喜びであった。引っ越しが近くなってからは冷蔵庫を空にすべく生ものを買えなかったので、好きな料理を作ることもできなかった。

じゃがいも・玉ねぎ・キノコを煮詰めて作った肉じゃがは本当においしかったし、安心した。

また、机があるので心行くままに書きものができる。買いなおしたMD万年筆はやはり抜群の書き心地だし、ブルーグレーのさびた感じの青は私の身の丈にぴったり合う気がする。

本業の方向性も定まってきて、みちのくコミティアの準備も進め始めている。私の春が、始まりつつある。春は必ず体調を崩すので、ゆっくりゆっくり休みつつやっていきたい。


今は夕食後は基本的にTOAオンリーイベントの展示イラストの準備をしているのだが、昨日はいろいろがひと段落して疲弊していたので漫画を読んでいた。

水城せとな『窮鼠はチーズの夢を見る オールインワンエディション (フラワーコミックスα) Kindle版』

前々から気になってはいたのだが、キンドル版にバージョン違いがありすぎてどれを買ったらいいのかわからず、手が出ずにいた。寝言でぼやいていたら「オールインワンエディションで全部読めますよ」と教えてもらい、購入した次第である。

めっちゃ面白い!!!!!!!事前情報が「主人公がふらふらしててどんどん不倫する」という雲行きが怪しいものだったのでどんなもんなんだろうと思って読んでみたが、すごくよかった!

確かに主人公はふらふらしていてどんどん不倫してしまうのだが、それによって「不完全な人間である」ということが強調され、不完全な他者に垣間見える自分に欠落しているものをみて相手にどうしようもなく惹かれてしまう、という様子が描かれており、もしかしたら人間同士のコミュニケーションってそういうことが多いのかもなあ、と思った。

主人公恭一と、恭一に片思いする今ヶ瀬はお互いがお互いをめちゃくちゃ最悪な気分にさせるし、お互いに対してめちゃくちゃ最悪な気分になるのだが、それでもなお、離れがたい、という祈りがあり、不完全なもの同士の摩擦まみれのコミュニケーションが私にはひどく誠実に映った。

恋とか愛とかに対しては未だ懐疑的であるのだが、その根本が、望ましいもの、素晴らしいもの、お互いを高め合うものというビジョンに対するものであるという部分がある。相手に対して愛おしいと思うより最悪な気分になっちまうぜほんと…という部分が描かれているこの作品はすごく私の肌感に会っているし、BLの別れ話が大大大好きなので単純に萌える作品であった。

一次BL作品読んでみたいな~という方がいらっしゃったらもしよければ読んでみてください。


月いちネットプリント2月号の配信がそろそろ終わります。

 内容:エッセイと短歌6首

  • ユーザー番号: AAPTQ27RQ6
  • 登録名: 230219.pdf
  • 有効期限: 2023/03/21 19時頃

インターネットアーカイブの予定はありません。

ご興味ある方いれば印刷してみてください。近日三月分を登録します!


以下拍手返信

御本人にして見れば大変な状況なのだと思いますが、文字で規定されない生活を送っている身からは不思議な心地もします。引っ越しが無事に終わり、新たな場所からの発信もお待ちしています。
自分の行動を言語化して可視化・知覚しない生活は私にとってかなりめずらしく、なんだかプールの中を歩いているようなもやもや感がありました。最近取っているノートには書き込むたびに日付に加えて時間を書きこんでいるのですが、それがないだけでなんだかどんどん時が過ぎていくような感じがして、なかなかむずかしかったです。
コメント主さんは文字に結びつかない暮らしを小舟に乗ってすーっと進んでいっているのでしょうか。それも素敵だな…とおもいます。
引っ越しが終わったので、またいろいろ発信していきたいです。ありがとうございます!
トモサダさま
コメントありがとうございます!いつも元気もらってます…!!!!
汚部屋&窮屈な睡眠環境だったので最悪でした;;インフルエンザにもなったし…。
ダイエット!お互い頑張りましょう!ずんぐりから小ずんぐりくらいになりましょう!!!
小渕さん、こんにちは! 『窮鼠はチーズの夢を見る』ですが、いろんなバージョンが売られていて、どれを買ったらいいかよくわかんないですよね。 オールインワンエディションだと、窮鼠シリーズがすべて一つにまとまっているのでおすすめです! 引っ越しは、体力も頭も使うので疲れますよね。お体第一で、ご無理のないよう頑張ってください!
コメントありがとうございます!おかげで素晴らしい作品に出会えました!他にご存じのBL作品とかあったら是非教えてください~~!
体力も頭も使いきったので、ゆるりとやっていきたいと思います!
お大事になさってください!
ありがとうございます!げんきになりました~!
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