別に誰にも禁止されていないのだが、「何でもないことを書く力」が衰えてきている。
このブログもどこにも需要のないことを書きたい!と思って始めたのに妙に格式張ってしまっている感がある。ので、何でもないことを書いていこうと思う。
最近昆布だしを取り始めた。最近といっても2月に入ってからは使っていないような気がするが、まあ、取り始めたのだ。
正月期間に実家に帰り、母方の叔父と話す機会があった。叔父は料理が好きで、毎年数の子などを作ってタッパーに入れて持ってきてくれる。以前はおせち関連の食べ物への興味が薄かったのだが、成人して日本酒もちょろちょろ飲むようになってお節料理の魅力に気付き始めた私は、この時初めて「味わおう」というつもりで叔父の数の子を食べた。
すごくおいしかった。通常数の子はしょっぱく、だからこそ日本酒に合うようなイメージがあったのだが、叔父の作った数の子は風味がありながらも優しい味わいで、口の中に長く居住させても舌がひりつくことがなかった。
これはどんなこだわりがあるの、と聞く前に、叔父はだしをとってつけているのだ、と教えてくれた。また、普段の料理でも、例えば味噌汁なんかでも、昆布だしを使っているのだと。
なんだか手間がかかるでしょう、と母親が言うと、叔父は簡単な方法を教えてくれた。帰宅したら適当な量の水につけておいて、少し雑事をして、それが終わったら弱火に書けながらほかの調理をして、そして具材を入れてしまうのだ、と。干した昆布は2度使用することにしておいて、1回目はそうやってさらっととってしまって、2回目は細かく切って具材とともに過熱してしまうよ、と言っていた。
簡単そうだし、柔らかなおいしさがあってよさそうだ、と思った。
次の日、母親がお雑煮を出してくれた。それがすごくやわらかな味わいがして、感動して「おいしいね」と繰り返し言っていたら、叔父に影響されてだしをとってみたのだ、と言っていた。
「味が薄い感じがしたから、しょうゆと塩をちょっと入れちゃったんだけどね」
以降、自宅に帰ってからスーパーで乾燥昆布を買い、なんとなくだしをとっている。
叔父の味にも母の味にも遠い優しすぎる味わいだが、まあ、おいしい。