生活がしがみついている

生活のやる気がめしょめしょになっている。水曜から土曜まで熱を出していて、きっと疲れているのだ。

幼いころからずっと、弱い。基本的に風邪をひくのが当たり前の身体だ。

体力の有り余る少年期までは、風邪をひいても余裕で料理をしたり本を読んだり絵をかいたりできたものだが、もうずんぐりむっくりしたインターネットモンスターであるわたしにはそんな体力は残されておらず、ただ漫然とBondeeに現在体温を更新することしかできなかった。

今回の発熱は、私にとって結構ショックなことであった。というのも、四月に入ってから割と、より一層健康に気を使っていたのだ。

前の記事でも睡眠について見直してみたと書いたけれど、それはきちんと続けていて、よく寝ていたら半年続いていた蕁麻疹が解消されたのだ。私は半年間、ずっと寝不足だったらしい。

寝不足解消に割とご機嫌でいたら、体のほてりで目が覚めて、測ってみれば発熱だった。そして四日間寝込むこととなる。

なんだよも~、という具合だ。ただでさえ睡眠を優先しているために創作その他の時間が減っているのに、もうそれどころではなく、ほぼすべての活動がキャンセルになってしまった。みちのくコミティアで新刊が出せるかどうかも怪しい。

私の活動時間は思ったよりも短い。そしてそのようにやりくりしてもなお、風邪をひいたり参ってしまうことがある。

病むことのよくないことは、病み終わることを嫌にさせることだ。まさに今、私は「風邪が完治した人」としてふるまうことに億劫さを感じている。起きることも、外に出ることも、夕食を準備することも、すべてがつらい。熱の間はしなくてよかったのだ。楽しい予定ではないが、体を作り出す中核の活動である「生活」を送るのが、今は非常に鬱陶しい。

しかしやりたいことは山積みだ。みちのくコミティアに新刊とポストカードを出したい、ドメインを取得したからサイトの如何作業をしたい、本業もいい調子だから進めていきたい。生活さえ、生活さえ投げ出せてしまえば。

まあそんなことはないので、夕飯食べます。食休みしたら運動して風呂入って本読んで寝ます。

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生活を見直す:睡眠篇

日中の体感60%をうたたねで過ごしてしまっていること、どうやら普通じゃないらしい。そしてこれは改善のしようがあるらしい。ということが最近分かってきた。

イトコ(31)がアップルウォッチを一週間貸してくれて、睡眠の質を測定できる機会があったのだが、私のそれは彼奴よりもだいぶ低かった。

なんか深い睡眠がない。少ない。いままで自分の睡眠には大した問題がないと思っていたのだが、というか問題があっても薬が処方されているので解決されていると思っていたのだが、処方されたうえでもじり貧状態だったらしい。

思い返せば薬を飲んでも飲んでも(疲れが原因とされている)蕁麻疹はよくならないし、日中の半分以上をうたたねしてるのはよく考えなくても異常だ。年を取って体力がなくなってきたのかと感じていたが、眠いならまず睡眠を疑うべきだった。

ということで、睡眠に関することをそれなりに調べて改善策を講じることにしてみた(参考資料はまとめて末尾に記す)。

薄々わかっていたのだが、風呂後には頭を使わないほうがいいらしい。これまでほぼ毎日終業後には運動→風呂→ごはん→創作作業→就寝というサイクルを運営してきたのだが、小説にせよ絵にせよ漫画にせよ、脳を使って集中するのを寝る前にやらずに、リラックスしたほうがいいとのことだ。深部体温云々の理屈を聞いても納得したし、何より体感として、風呂に入った後一度めちゃくちゃ眠い時期を乗り越えてから絵を描いているので、確かによくなさそう…と感じた。とりあえず寝る前30分は欠かさず手帳をつける時間をとってリラックスしているつもりだったのだが、測定結果を見る限りこれは焼け石に水だったのかも。

じゃあ寝る前何してたらいいのよ、と調べてみたところ、なるべく自分を”boring”(退屈)な状態にしていくと述べられていた。静かな映画を流し見するとか、微妙に興味があるようでないような本を読んでみるとかがいいらしい。今まで作業時間で取っていた分をそんな退屈な時間にしてしまうのか!と葛藤はあったが、参考資料にも「睡眠を後回しにしてきたからこその体調不良なのだ。それを改善するためには睡眠に本気になれ。」と述べられていたし(筆者要約)、これもいったん飲み込むことにした。

そして、何より「寝たいときに寝ること」「起きたいときに起きること」。これが一番大切らしい。なので「寝たい状態に自分を導くこと」「起きたい状態になるまで寝ること」が必要なのだと理解した。

ひとまず、生活習慣を以下のように変えてみた。

  • これまで:終業→運動→風呂→ごはん→作業→就寝
  • これから:終業(PCの電源を落とす)→ごはん→食休みの後運動→風呂→boring時間→就寝

運動には、3月くらいから始めたきんにくんの動画をみながらやる筋トレを行っている。ウォーミングアップとセットで行うとあったまってよい。

そして課題のboring時間だが、微妙な興味の度合いの映画を観ながら手帳をつけたり、ふんわり手に入れたものの読んでなかった本を読んだりしている。興味が微妙なのであんまりちゃんと観れないし読めないのだが、「今は”boring”時間だから」と思うと気楽に目が通せる。それで面白そうであれば目が覚めているときに観たり読んだりすればいいわけだし、一応積読消化にも役立っている。

また、はじめは自分の体の状態から睡眠負債がたまっていると仮定し、その負債を完済することを試みた。

作戦はシンプルだ。寝たくなったら寝て、起きたくなったら起き、一度起きたら次寝る時間まで絶対に寝ない。

二日連続で12時間ずつ寝ていた。さすがに12時間も寝ると、昼間起きている。しかしこの、昼間ずっと起きているということが私の生活に久しく訪れなかった現象であることを実感した。そしてここ三日間蕁麻疹が出ていない。私はずっと眠かったのかもしれない。

眠いのが何時の間にかデフォルトになっていて、奇跡的に下りてくる覚醒時間ですべてを済ませていたのだが、そんな生活は少なくとも私は続けられそうにない。今後もとりあえず、昼間眠くならない生活を安定して手にしていきたい。

以下参考資料・動画

↓風呂の後に頭を使わないほうがいい。

borigな状態にする、眠りたいときに眠ろう↓


ネットプリントやってます

ローソン・ファミリーマートで印刷できます。 

内容

  • ペン画オリジナルイラスト
  • 書き散らし
  • 短歌8首

印刷情報

  • ユーザー番号: AAPTQ27RQ6
  • 登録名: 230325netprint.pdf
  • 有効期限: 2023/04/24 17時頃

インターネットアーカイブの予定はありません。


明後日4月9日のTOAウェブオンリーに参加します

イベント会場はこちら

スペース

  • 帝都 え7

スペース滞在時間

  • 16:00-18:00(この時間に来ると小渕がいます)
  • ほかの時間帯に来てくださる方いたら教えてください!

展示内容

  • ED後ムービーの赤髪の青年についてのイラスト連作&ネットプリント
  • ジェイディス小説PDF&ネットプリント

連作間に合うかめっちゃ不安ですがめっちゃ今絵描いてます!!!

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小説を書くのって難しい

「今月中に小説を一本書く」と息巻いていたが、どうにも書き出せずにいる。アイデアは微妙にあるものの、あっちこっちに散らばっていて、あまり体系をなさない。

私の場合、やりたい出来事はなんとなく出来上がっているのだが、核となる登場人物のことを考えるのにものすごく難儀している。このままでは出来事の羅列になり、感情描写や行動描写に苦難することが目に見えている。何より面白くなさそうだ。

感情類語辞典[増補改訂版]

この本の最初の解説の部分を読んでみて、やっぱり感情って重要だし、感情描写には登場人物の精緻な練り込みが必要だと感じた。だから小説を書くのだとするなら、やはり登場人物のことをきちんと考えなければならない。

これが本当に難しい。

以前朝本箍さんと行ったインタビュースペースでも述べたが、私は人型のオリジナルキャラクターを作るのがすごく苦手だ。小説においてもそうらしい。キャラクターの設定を練るとなると、途端に頭がこんがらがってくる。

決定するのが苦手なのだ。その人物の側面を。例えば、私が眼鏡のキャラクターを作り、「理知的である」としたときに、それはそのまま「小渕リツ子は眼鏡と理知的という性格を少なからず結び付けている」ということが露呈してしまうのではないだろうか、と考えてしまう。感情類語辞典にも登場人物の背景について考察するためのヒントが書かれており、「このような経験から、このような思考にもなるだろう」ということが書かれていた。

確かにそうかもしれない。私自身の性格を振り返ってみても、経験と思考は強く連関しているように思える。

しかし、それを登場人物において決定してしまうことは、私の偏見の表明になってしまうのではないだろうか。いや、ごちゃごちゃかいたけれども、なによりも、私自身が私の偏見を見たくない、というのが近いような気がする。

身だしなみを気にする人間にワックスをつけさせること、内気な人間のノートの字が涼しげなこと、大学を留年している人間の家にペットボトルのごみがたまっていること

それぞれは私の偏見である。そうでない人間もたくさんいる。

対処法はわかっている。何よりも個人として登場人物を描くことだ。その属性を背負う代表のかたちとしてではなく、名前を付け、過去を決め、重要な思い出を作り、見た目を考え、様々な側面を多様なグラデーションで持つ個人として描くこと。それによって偏見は重要な機能を果たす。

私は登場人物たちと、個人として向き合わなければならない。そんなことはわかっている。けれども怖いのだ。

存在しない人間のことを考えるとき、どうしても私本人が、人間としてそこに立たなくてはならなくなる。

私のかたちが否応なくわかってくる。ワックスをつける人間を別の世界のおしゃれさんだと思っていること、内気な人間のノートを見てきれいな字だなと思った過去、勉学がおろそかになれば生活もおろそかになるのではないかという思考回路。

そういう私の愚かな姿勢が明らかになってくる。これは読者に知らされることはないのかもしれない。しかし何より私に痛いほど私のかたちが刻まれてしまう。

それがすごく怖いのかもしれない。むしろ、その形がわかりたくないから、いままで登場人物の設定を決めることを拒んできていたのかもしれない。

自分のかたちがわかるのは怖い。自分がどうしようもない人間だとわかってしまうから。


拍手返信

ひのまるさま
ありがとうございます!こちらも同人サイトでリンクを貼らせていただきました!これからもよろしくお願いします。

【ネットプリントのお知らせ】

月刊にとんぜぽ 3月号

内容

  • ペン画イラスト
  • 書き散らし
  • 短歌8首

インターネットアーカイブの予定はありません。

  • ユーザー番号: AAPTQ27RQ6
  • 登録名: 230325netprint.pdf
  • 有効期限: 2023/04/24 17時頃

興味があればよろしくお願いします。


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引っ越し終わりのご報告と「窮鼠はチーズの夢を見る」感想

朝、目が覚める。寒くない。背中も痛くない。段ボールの山もなく、代わりに机やいすがある。

起き上がる。手にはバネが反発する感覚。そう、ベッドで寝られるようになったのだ。

引っ越しが終わった。

終わった。

終わったぞ!!!!!

たくさんの応援、心配のお言葉、本当にありがとうございました。物を捨て、捨て、捨て、詰め、詰め、埃だらけの旧居から運び出される荷物たちにじっとりとした視線を送り、比較すればかなりきれいな新居に運び込まれる雑多な荷物たちをぼんやり眺め、開き、開き、出し、詰め、また捨てて、やっと新居での生活も落ち着いてきた。

引っ越しの後、ゆっくりご飯が作れることが何よりの喜びであった。引っ越しが近くなってからは冷蔵庫を空にすべく生ものを買えなかったので、好きな料理を作ることもできなかった。

じゃがいも・玉ねぎ・キノコを煮詰めて作った肉じゃがは本当においしかったし、安心した。

また、机があるので心行くままに書きものができる。買いなおしたMD万年筆はやはり抜群の書き心地だし、ブルーグレーのさびた感じの青は私の身の丈にぴったり合う気がする。

本業の方向性も定まってきて、みちのくコミティアの準備も進め始めている。私の春が、始まりつつある。春は必ず体調を崩すので、ゆっくりゆっくり休みつつやっていきたい。


今は夕食後は基本的にTOAオンリーイベントの展示イラストの準備をしているのだが、昨日はいろいろがひと段落して疲弊していたので漫画を読んでいた。

水城せとな『窮鼠はチーズの夢を見る オールインワンエディション (フラワーコミックスα) Kindle版』

前々から気になってはいたのだが、キンドル版にバージョン違いがありすぎてどれを買ったらいいのかわからず、手が出ずにいた。寝言でぼやいていたら「オールインワンエディションで全部読めますよ」と教えてもらい、購入した次第である。

めっちゃ面白い!!!!!!!事前情報が「主人公がふらふらしててどんどん不倫する」という雲行きが怪しいものだったのでどんなもんなんだろうと思って読んでみたが、すごくよかった!

確かに主人公はふらふらしていてどんどん不倫してしまうのだが、それによって「不完全な人間である」ということが強調され、不完全な他者に垣間見える自分に欠落しているものをみて相手にどうしようもなく惹かれてしまう、という様子が描かれており、もしかしたら人間同士のコミュニケーションってそういうことが多いのかもなあ、と思った。

主人公恭一と、恭一に片思いする今ヶ瀬はお互いがお互いをめちゃくちゃ最悪な気分にさせるし、お互いに対してめちゃくちゃ最悪な気分になるのだが、それでもなお、離れがたい、という祈りがあり、不完全なもの同士の摩擦まみれのコミュニケーションが私にはひどく誠実に映った。

恋とか愛とかに対しては未だ懐疑的であるのだが、その根本が、望ましいもの、素晴らしいもの、お互いを高め合うものというビジョンに対するものであるという部分がある。相手に対して愛おしいと思うより最悪な気分になっちまうぜほんと…という部分が描かれているこの作品はすごく私の肌感に会っているし、BLの別れ話が大大大好きなので単純に萌える作品であった。

一次BL作品読んでみたいな~という方がいらっしゃったらもしよければ読んでみてください。


月いちネットプリント2月号の配信がそろそろ終わります。

 内容:エッセイと短歌6首

  • ユーザー番号: AAPTQ27RQ6
  • 登録名: 230219.pdf
  • 有効期限: 2023/03/21 19時頃

インターネットアーカイブの予定はありません。

ご興味ある方いれば印刷してみてください。近日三月分を登録します!


以下拍手返信

御本人にして見れば大変な状況なのだと思いますが、文字で規定されない生活を送っている身からは不思議な心地もします。引っ越しが無事に終わり、新たな場所からの発信もお待ちしています。
自分の行動を言語化して可視化・知覚しない生活は私にとってかなりめずらしく、なんだかプールの中を歩いているようなもやもや感がありました。最近取っているノートには書き込むたびに日付に加えて時間を書きこんでいるのですが、それがないだけでなんだかどんどん時が過ぎていくような感じがして、なかなかむずかしかったです。
コメント主さんは文字に結びつかない暮らしを小舟に乗ってすーっと進んでいっているのでしょうか。それも素敵だな…とおもいます。
引っ越しが終わったので、またいろいろ発信していきたいです。ありがとうございます!
トモサダさま
コメントありがとうございます!いつも元気もらってます…!!!!
汚部屋&窮屈な睡眠環境だったので最悪でした;;インフルエンザにもなったし…。
ダイエット!お互い頑張りましょう!ずんぐりから小ずんぐりくらいになりましょう!!!
小渕さん、こんにちは! 『窮鼠はチーズの夢を見る』ですが、いろんなバージョンが売られていて、どれを買ったらいいかよくわかんないですよね。 オールインワンエディションだと、窮鼠シリーズがすべて一つにまとまっているのでおすすめです! 引っ越しは、体力も頭も使うので疲れますよね。お体第一で、ご無理のないよう頑張ってください!
コメントありがとうございます!おかげで素晴らしい作品に出会えました!他にご存じのBL作品とかあったら是非教えてください~~!
体力も頭も使いきったので、ゆるりとやっていきたいと思います!
お大事になさってください!
ありがとうございます!げんきになりました~!
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早くベッドで寝たい

現状である。

つまりは風邪をひいた。もっとひどい。インフルエンザだ。何がどうして引きこもって引っ越し作業をしていたらインフルエンザになるのか。

「引きこもりのくせにインフルになるとは生意気な」

「体内でインフルエンザウイルスを生成する人間」

知人に言われた言葉である。本当にそうかもしれないと思う。

あまりに作業が進まないし、生理前でなんだか具合も悪いから、「このまま熱が出て誰かがかわりにやっておいてくれることにならないかな…」という夢想を、しなかったと言えばうそになる。いや、した。

楽をしようとしたばちだろうか。インフルエンザになってしまった。

数日うんうん寝込み、何とか現在は回復している。救援が来てくれて荷造りもどうにかなりそうだ。

荷解きのことを考えると頭がくらくらしてくる。もう、一週間休みたい。そんなことを考えているとまた病気になってしまうのだろうか…。

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